桑の葉 血糖値対しての効果効能について
2022/01/20


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秋の雨が過ぎてくるといきなり寒くなってきて、体調を崩しやすくなります。温かい食べ物やお茶を飲んで、体を温かくして、急激な温度変化に対応しないといけませんね。
だんだん寒くなってきて、冬になると『桑の葉茶』を購入する方が増えてきます。桑の葉がお茶としてさらに、食の秋や冬で美味しいものを食べてしまうと気になるのが血糖値です。血糖値が気になる方にどうお役に立つのか論文を調査してみました。
目次
桑の葉を糖尿病予備軍に飲ませる量は?

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【臨床対象者】
正常血糖値成人 5名 (N群)
耐糖能異常者(糖尿病予備軍) 8名 (男女 55歳±5歳) (H群)
【摂取方法と実施期間】
スプーン1杯(1.8g)の桑の葉パウダーを水・白湯に溶かして、1日3回摂取させて、
(1日あたり5.4g)を3ヶ月実施しています。
検査項目 空腹時血糖・HbA1c・血液生化学・尿検査
桑の葉パウダーでブドウ糖生成を抑制!?
①桑の葉のマルターゼ阻害活性は茶葉と同等
※マルターゼ:麦芽糖(マルトース)をブドウ糖まで分解する消化酵素のこと
②桑の葉のスクラーゼ阻害活性は茶葉の10倍強い力があった。
※スクラーゼ:スクロース(蔗糖)を分解してグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)を生成する。
つまりは、②の結果から桑の葉は茶葉よりもブドウ糖生成抑制効果を示しています。
補足内容:桑の葉に含まれる有効成分デオキシノジリマイシン含有量は 128±12μg/100mg
正常血糖値成人と糖尿病予備軍の血液検査項目の比較
以下は正常血糖値と糖尿病予備軍を区別せずに摂取開始と3ヶ月後で比較した結果です。
・空腹時血糖(127±11㎎/dl ⇒ 105±5㎎/dl)
・HbA1c(5.7±0.3% ⇒ 5.4±0.2%)
・尿酸(5.2±0.5mg/dl ⇒ 4.9±0.4㎎/dl)
・総コレステロール (203±31mg/dl ⇒ 189±6㎎)
・中性脂肪 (150±62㎎/dl ⇒103±13㎎/dl)の有意な低下
総コレステロールと中性脂肪は正常者、予備軍のどちらも優位に低下していました。
正常血糖値成人と糖尿病予備軍との血液検査項目の比較

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正常血糖値と糖尿病予備軍をそれぞれ分けて比較した場合です。
【正常血糖値成人の摂取開始時と3か月後の比較】
・空腹時血糖値 (86±2㎎/dl ⇒ 91±4㎎/dl)
・HbA1c (4.7±0.1% ⇒ 4.7±0.1%) 血液生化学の有意差なし
【糖尿病予備軍の摂取3ヶ月後の変化】
糖尿病予備軍は空腹時血糖値は1ヶ月から低下傾向が見られ、3か月後には有意に低下しており、HbA1cも優位に低下した結果でした。
・空腹時血糖が低下 (153±9㎎/dl ⇒106±6㎎/dl)
・HbA1c値が低下(6.3±0.3% ⇒5.9±0.2% P<0.05)
まとめ
桑の葉パウダーにはデオキシノジリマイシンという有効成分が0.13%含まれており、茶葉よりもスクラーゼ活性が強いことが分かりました。桑の葉パウダーを摂取後、正常血糖値者では血糖値に変化は見られなかったですが、糖尿病予備軍では穏やかに血糖値を効果させて安全性が高いことが示唆されています。つまりは、桑の葉一気に薬のように極端に下げるわけではなく、徐々に3ヶ月程度かけながら緩やかに通常の血糖値に戻す効能があるのでは?と思います。
薬で極端に血糖値を下げて低血糖になるよりも、自然食品を利用して体に負担をかけないで、徐々に血糖値を正常値へ下げる努力をしていきましょう!
参照元:耐糖能異常における桑葉の効果 : 基礎と臨床からのアプローチ
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