玉ねぎの皮のフラボノイドで『炎症の親玉』を抑制する!?


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ズルズル~っと鼻水が出てくる時期になりましたが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
鼻水が出るのも一種の炎症を抑えて、異物を外に排除しようという体の仕組みです。
炎症もハチに刺されたり、食物アレルギーなどの急性タイプと、持病の関節痛は慢性タイプの2種類があります。急性タイプはショック死というのが良く聞くかと思いますが、慢性的な炎症は怖くないかといえばそうではありません。
慢性炎症で引き起こる症状とは?

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①メタボリックシンドローム生活習慣病
・肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧、心臓病、、慢性肝臓炎、非アルコール性脂肪性肝炎
②動脈硬化による疾患
・虚血性心筋症、脳卒中
③自己免疫疾患
・関節リウマチ、乾癬
④脳神経の疾患
・アルツハイマー病、パーキンソン病など
⑤がん
・癌の発生や増殖、転移など
例えば動脈硬化は血管の中で炎症が繰り返されて、心不全、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こしてしまいます。アルハイマー病は、何かの原因で脳内に炎症が起きて進行していきます。
アルツハイマー病(脳の食細胞であるミクログリアに刺激があるとTNF-αというサイトカインが作られて、脳内に炎症が起きる)
悪玉サイトカイン(TNF-α)は炎症の親玉!?
サイトカインとは体に良くないものが侵入してきた時に、それを察してマクロファージが周辺に出す『お知らせ』になります。サイトカインは免疫システムに関係する細胞が作り出すたんぱく質の一種で、サイトカインという物質があるわけではなく、そうした機能を持つたんぱく質の総称になります。悪玉サイトカインが炎症の大元と考えられており、この悪玉セイトカインが大量に作られてしまうと、体に備わっている防衛軍は全身で過剰な攻撃を開始してしまいます。体内が激しい戦場と化して、全身の血管が炎症を引き起こして、多臓器不全となってしまうのです。
①マクロファージの表面にはトル様受容体(TLR)という突起 触覚のようなものです。
②TLR(触覚)が異物を探知すると、その刺激でマクロファージの細胞内に信号として伝わり、TNF-αが作られて放出されます。
③通常の時は必要最低限TNF-αは出ているため、私たちを守ってくれるのですが、必要以上に分泌されると炎症を引き起こして、炎症の積み重ねで老化や病気になっていくのです。
そこでTNF-αを悪玉サイトカインと呼んだりもします。
悪玉サイトカイン(TNF-α)を程よく抑制するフラボノイド
悪玉サイトカインは炎症の大元であり、沢山出てくるとどんどん炎症起こして体は衰弱していき危機的状況になってしまいます。とはいえ、全く悪玉サイトカインが出なくなってはいけません。悪玉サイトカインの出る量を抑制して、体がダメージを受けるのを守る必要があります。
玉ねぎの皮に含まれるケルセチンやみかんの皮に含まれるヘスペリジンなどのフラボノイドにはこの悪玉サイトカイン(TNF-α)を制御する働きがあることが知られています。
参照:玉ねぎみかん「皮」を食べるだけで病気にならない
熊沢義雄氏