さつまいもの葉に農薬を使用しない3つの理由とは?
有機農法、有機JAS、農薬不使用など様々な表記で農薬を使っていないことをアピールすることが、健康意識の向上から増えてきました。虫や草を殺傷してしまう力をもつ農薬だから人間にも害がある可能性があると考えているからではないでしょうか?もちろんそれもありますが、さつまいもの葉で農薬を使わない理由は他にもあります。
さつまいもの葉で農薬を使わない理由 その1
さつまいもの葉に使える農薬はなんと2種類だけです。
ラービンフロアブルとアグロスリン水和剤という農薬で、主な目的としてはヨトウムシ、ナカジロシタバの殺虫に使います。ただ、この農薬はそれぞれが年間の「使用限度が2回」までしか使えません。さらに虫が薬剤抵抗性を持たないようにするために、1回目をラービンフロアブル、2回目をアグロスリン水和剤、3回目にラービンフロアブルと使っていても、なかなか虫の増殖を抑えることは難しいです。
さつまいもの葉で農薬を使わない理由 その2
写真:虫被害を受けたさつまいもの葉
さつまいもの葉に農薬を散布した場合、大多数の虫は死にいたりますが、少数派外や土の中に逃げてしまいます。ラービンフロアブルは葉に浸透して食べてもらうことで、虫を殺傷します。アグロスリンは接触することで殺傷するタイプです。それぞれの効果によって一時的に虫がいなくなって、さつまいもの葉が2週間かけて生えてきても、葉っぱに浸透した農薬がどうしても残ってしまいます。そのためせっかく生えた葉を切り捨てなければいけません。その間に、隠れていた虫が増殖を始め、農薬散布後4週間後には虫は大量発生してしまいます。
さつまいもの葉で農薬を使わない理由 その3
農薬を使わない一番の理由としては、『さつまいも』の生命力が弱ってしまうことです。農薬を散布してしまうと、今まで切っても切っても生えてきた葉が、ピタっと成長が止まってしまいます。ポリフェノールが豊富な葉の部分を虫食べているという理由もありますが、農薬散布後はポリフェノール含量が落ちてしまいます。
さつまいもの葉を食べるヨウトウムシ、ナカジロシタバ、エビガラスズメなど繁殖農薬を食欲旺盛な虫を一瞬で殺傷してしまう農薬ですので、さつまいもの葉にもダメージがあるのではないでしょうか。
まとめ
農薬を使わないことはできますが、農薬を使わずに大量に育てるというのが難しいです。さつまいもの葉が元気になるとそれを求めて虫も集まります。虫が食べたくなる直前の葉を、私たちはすばやく収穫していきます。